水月窯で志野を焼く
私が多治見で誇れるもの・・・
虎渓山永保寺、神言修道院、そして水月窯・・・
どちらも時間という概念を消失させてくれる私にとって特別な場所だ。
その中の一つ水月窯さんで「水月窯で志野を焼く」が5月25日(日)から始まる。
水月窯は国重要無形文化財荒川豊蔵氏が虎渓山に開いた窯。
今だ全行程を手作りで行う伝統的窯業生産を守り続けている多治見で唯一の窯なのだ。
薪割り→製土→成形→乾燥(素焼き)→絵付→施釉→本焼成→上絵付
なんと!!全行程に参加して志野を焼くという贅沢な企画だ。
5ヶ月間掛けて作品を作り上げていく・・・
この企画に携わり「陶器の町多治見」で生まれ育ったはずなのに改めて知らないことばかり・・・こんなに手間暇掛けて一つの陶器を作り上げて行くのかと、職人さん達には頭が下がる思いだ。
これを経験させてもらえるなんて想像するだけでワクワクする・・・と同時にどれだけの人がこの手間暇と労力を知っているのだろうか・・・?
便利さだけが追求された高度成長期にも機械を入れず、手作りによる伝統製法を守ってきた。
水月窯は千年一日のごとく同じ工程を繰り返し続けてきたのだ。
だからこそここには特別な時間が流れているのだろう・・・
今回この行程に携わり初めて私は「真の多治見人」に一歩近づけるような気がする。
灯屋のわずか300m先に労苦を惜しまず伝統を守り続ける職人さん達がいる事を私は誇りに思う。
と共にやっぱり虎渓山って素晴らしい所なのだと思わずにいられない!
Writing by trifle